最近、おもうこと

50歳から始めた”さをり織” 「自分自身を織り上げる」という創始者・城みさをさんのことばに惹かれました。

定年後の第二の人生、2016年7月に「姉妹塾 SAORIKO-UKO」 を和光市で開所しました。

大好きな”さをり織”を、多くの人に伝えて一緒に楽しみたいと思っています。

もうひとつのチャレンジは、10年間続けているネパールの貧しい家庭の子ども達の就学支援、この活動をもっと広げるために、

2017年4月に「ネパール子ども基金・里親の会」のブログを立上げたことです。

里子が自分自身の将来を切り開くために、私たちのボランティア活動が少しでもお手伝いができればと考えています。

そしてこの「SAORIKO日記」を再開しました。

2012-05-23

与謝野晶子 「駄獣の群」

栄光
今年は与謝野晶子没後70年。晶子と言えば「みだれ髪」。
薔薇で言えばも燃え上がるイメージの「栄光」でしょうか?
黄色の花芯がメラメラ燃える赤い炎のようです。

私が与謝野晶子の作品に出会ったのは、小学校の歴史の授業だったと記憶しています。
インドのネール首相が娘に贈った「父が子に語る世界の歴史」と共に、日露戦争の時、弟の出征に際して詠った晶子の詩、「君死にたもうことなかれ」を担任に教えられました。
今考えると、素晴らしい教師に出会っていたのだと痛感します。

晶子は女性の参政権のない時代、1915年読売新聞に「駄獣の群」を発表しているそうです。
その「駄獣の群」を引用した議員に激怒した仙谷由人官房副長官(当時)のエピソードを、2011年8月14日付けの朝日新聞が報道したとか、今も昔も変わっていない国会の有り様に笑ってしまいました。


駄獣の群

ああ、此国の
怖るべく且つ醜き
議会の心理を知らずして
衆議院の建物を見上ぐる勿れ。
禍なるかな、此処に入る者は悉く変性す。
たとへば悪貨の多き国に入れば
大英国の金貨も
七日にて鑢にて削り取られ
其正しき目方を減ずる如く、一たび此門を跨げば
良心と、徳と、理性との平衡を失はずして
人は此処に在り難し。
見よ、此処は最も無智なる、
最も悖徳なる、はた最も卑劣無作法なる
野人本位を以て
人の価価を
最も粗悪に平均する処なり。
此処に在る者は
民衆を代表せずして
私党を樹て、
人類の愛を思はずして
動物的利己を計り、
公論の代りに
私語と怒号と罵声とを交換す。
此処にして彼等の勝つは
固より正義にも、聡明にも
大胆にも、雄弁にもあらず、
唯だ彼等互に
阿附し、
模倣し、
妥協し、屈従して、
政権と黄金とを荷ふ
多数の駄獣と
みづから変性するにあり。
彼等を選挙したるは誰か、
彼等を寛容しつつあるのは誰か。
此国の憲法は
彼等を逐ふ力無し、
まして選挙権なき
われわれ大多数の
貧しき平民の力にては……
かくしつつ、年毎に、
われわれの正義と愛、われわれの血と汗、われわれの自由と幸福は
最も醜き
彼等駄獣の群に
寝藁の如く踏みにじらるる……

1 件のコメント:

  1. 国会答弁を聴いていると、議員のレベルの低下は深刻ですね。特に、競馬に詳しい小川法務大臣、防衛の素人田中防衛大臣はじめ、民主党の閣僚がひどい。

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