最近、おもうこと

50歳から始めた”さをり織” 「自分自身を織り上げる」という創始者・城みさをさんのことばに惹かれました。

定年後の第二の人生、2016年7月に「姉妹塾 SAORIKO-UKO」 を和光市で開所しました。

大好きな”さをり織”を、多くの人に伝えて一緒に楽しみたいと思っています。

もうひとつのチャレンジは、10年間続けているネパールの貧しい家庭の子ども達の就学支援、この活動をもっと広げるために、

2017年4月に「ネパール子ども基金・里親の会」のブログを立上げたことです。

里子が自分自身の将来を切り開くために、私たちのボランティア活動が少しでもお手伝いができればと考えています。

そしてこの「SAORIKO日記」を再開しました。

2012-07-08

「資本論講座」 貨幣の資本への転化 二重の結果

手榴弾の一輪差し
「資本論講座」の宮川先生の机の上に小菊が一輪差しに飾ってありました。
ところがこれは花瓶ではなく、信楽焼の手榴弾とのことです。

休み時間に説明をされた方によると、埼玉県の南古谷で、工事で掘り起こすと1日に何十個も土の中から出てくるそうです。
戦時中この地域で、火薬を詰める作業が行われていたためです。
有田焼もあり、黒、茶、黄土色と色は様々ですが、一輪差しには白が花に映えます


鉄が不足して考えだされた兵器で、戦争末期には攻撃兵器ではなく、自決用の手榴弾として硫黄島にも兵士が持って行ったそうです。
戦争展などで、竹槍と共に当時の日本の現状を示すものとして紹介されています。
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今日の講義では、前回の「貨幣の資本への転化」の講義に対する受講者の声が紹介されました。
「正確なりっぱな理解です。この把握なら、どこに出しても、マルクスの墓の前でも、恥ずかしくない。マルクスも草葉の陰で合格点を出してくれるでしょう。生半可なエセ学者どもを蹴散らすこともできるでしょう」と宮川先生が絶賛でしたので、紹介したいと思います。

資本論 第1巻・第4章 該当箇所 
「資本は流通から発生するわけにいかないし、同じく、流通から発生しないわけにもいかない。
資本は流通のなかで発生しなければならないと同時に、流通のなかで発生してはならないのである。
こうして二重の結果が生じた。…略…
彼の蝶への成長は、流通部面のなかで行われなければならず、しかも流通場面の中で行われてはならない。これが問題の条件である。”ここがロドス島だ、ここで翔べ!”」

『つまり、「貨幣の資本への転化」(資本の発生)のためには、自分の持っている「過去の労働」生産物たる生産手段を操作させる(合体させる)「生きた労働力」たる労働者が必要だ。
この労働力という独自の、特殊な商品の持ち主である労働者を労働市場という特殊な商品市場(つまり流通部面)で見つけてこなければならない。
資本家にとってよく働く労働者を見つけるには、「流通の媒介」が必要なのだが、労働力商品の機能の発揮(労働者にとっては「労働」、資本家にとっては、買った商品の「消費」そのものは、流通部面(市場)で行われるわけではない。
人買いは、お天道様の下で(二重の意味で「自由な」対等平等な)行われるが、それは搾取を準備するだけで、実際の搾取のおぞましい作業は暗い地下室(『パンチ』解説、生産部面)で行われる。
労働力商品の特殊性を理解しなければならない、ということでしょうか』
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1 件のコメント:

  1. いやー! 見事な解釈ですね! 参考にさせて貰います。ところで、この「貨幣の資本への転化」でいよいよ資本論の真打ち登場と言うことですね。私も「等価形態」そっちのけで、何度も読み返しています。それとこの第4章は、それだけで第2編を構成しています。それだけ需要な章と言うことでしょう。
    私はこの章でマルクスの議論の進め方の見事さを感じました。つまり第1節、資本の一般的定式で、資本の概念GーWーG'を示し、第2節で、それが成り立たないと言います。新日本出版社版265頁から266頁をめくると、第2節、一般的定式の諸矛盾でいきなりそれが成り立たないと言い始めます。それはないよなぁー、と思いつつ、第一分冊を学んできた内容から一般的定式の不十分さは、うすうす感じていたのですが、この第2節の始まりにはドキッとします。まるで良質のミステリーを読んでいるようです。そしていよいよ第3節で、その矛盾を解決する「労働力商品」の登場となります。この組立は見事と言う他ありません。
    15日は「相対的剰余価値の生産」の講義があり、現在ブログをほったらかして読んでいるところですが、同じような組立になっています。
    この第4章の最後で、労働者はいやいやながら、おずおずと生産の場面に入っていきます。それが第8章、労働日の最後では、希望に満ちた文章で終わります。
    いよいよ資本論が面白くなってきています。
    ご健闘を!

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